最近スタジアムの雰囲気がいい。サッカーJリーグ、アルビレックス新潟のホームゲームだ。
良いプレーには自然に拍手がわいてくる。結果として上手くいかなかった場合でも、良いパスには拍手、果敢なボール奪取には拍手、いい判断には拍手。もちろん、「ほぉーっ」とため息の出る素晴らしいプレーにも拍手。お客さんのサッカーを見る目が変わってきて、スタジアム全体がとてもいい雰囲気なのだ。もうバックパスにため息することはない。
チームが勝っていることが一番ではあるけれど、もう一つ大きな要因は観客のサッカーを見る目が培われたことだ。そこに大きく貢献したのはDAZNでの梅山さんの解説だと思う。
梅山修さんは元プロサッカー選手。アルビレックス新潟を最後に現役を引退したので、アルビサポにとっては「うちの選手だった梅山さん」という位置づけである。新潟市議として活躍していた時期もあり、とても親近感のある存在だ。
昨シーズン、アルベルト監督のサッカーが始まった当初から梅山さんは、「今年のアルビのサッカーはおもしろいですね。わくわくします。」と言っていた。けれど最初の頃はその言葉があまり響かなかった。「ふ~ん、そうなのかなぁ~」素人のわたしには、新しいスペイン人の監督、アルベルトさんが目指しているサッカーがどんなものなのか、全くわからなかったからだ。ボールを保持して攻撃的なサッカーといわれても、なにしろチームが勝たなかったから。今まで何度か挑戦してきて上手くいかなかったポゼッションサッカー。走って走って泥臭く、それがアルビ!そんながむしゃらなチームが好きだった。カウンター主体でいいじゃん。どうしてダメなの?と素人考えで思っていた。
観客にとって結果は大事だ。結果の出ない「ポゼッション」なるものは、単に後ろでボール回しててイライラするものでしかなかった。そのサッカーを梅山さんはおもしろいと言い、わくわくすると言っていた。プロが見る目は違うのかな、そんな印象だった。昨年までは。
でも今年は違う。梅山さんの言っていたことが本当だったとわかったのだ。結果が出ている。
梅山さんの解説は的確でわかりやすい。ディフェンダー同士のパス交換も理由を挙げて解説し、素人目にはムダに見える動きを「必要なことですね。」と教えてくれる。オフザボールの選手の動きも、それによってどういう効果があり、結果としてどうなったのか丁寧に解説してくれる。今では実際に試合を見た後、DAZNで梅山さんの解説を聞きながら試合を見返すのが楽しみになった。あれはどういうことだったんだろう?と思っていたことも、梅山さんがズバリ解説してくれる。「なるほど~そうだったのか~」と選手の意図が分かり、選手をリスペクトする気持ちが強くなる。アルベルト監督の目指すサッカーをだんだん理解するようになり、そして変な話だが、自分もアルビのサッカーに自信を持つようになった。
試合は相手のいることだし、上手くいく時も、そうでない時もある。でもどんな時も自分たちのやっていることを信じてやり続ける、その言葉の意味がようやくわかったように思う。この思いはわたしだけではないと思う。試合を見にスタジアムに来るお客さんたちが、アルベルト監督のサッカーに慣れ、わかってきて、試合を見る目が肥えたのだ。監督が、選手が、プレーによって伝え続けてくれた。そして梅山さんの解説も、本当に大きな役割を果たしている。
試合が楽しみだ。わくわくする。
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